金縛り??
1時間半しか眠れないのかよ・・・。
出張ラッシュ最終日は酷いコンディションで挑むことになった。香川→静岡→東京と巡り、今日は三重県四日市市で仕事だった。
朝の7時出発で、先輩が運転する車で2人で移動したのだが、睡眠不足のあまり、助手席で何度もウトウトしていた。…いえ、爆睡していました、ごめんなさい。それに先輩の運転があまりに上手いのだ。そりゃ睡魔も襲ってくるさ。あんなに滑らかに車線変更する人がいるなんて!
するとどこを走っている時だったか忘れたが、目が覚めると妙な苦しさに襲われ、体を動かせなくなった。その時はなんのことだか分からず、死ぬのではないかと思うほどの恐怖だったが、つまりは金縛りというやつだろう。たぶん。
金縛りにかかると幻覚が見えたり聞こえたりするものというが、今日の幻聴は凄まじかった。まず聞こえてきたのがテレビやラジオの砂嵐のような音だ。初めは、先輩がカーラジオを付けたのかと思ったが、なんというか、自分の脳の中から鳴っているような、変な感覚である。
次第に砂嵐がリズム感を帯びてきて、テクノ音楽(?あまり知らないけど。)のようなピコピコしたサウンドが聞こえてくる。そのとき、「こんな状態なら素晴らしい旋律が降ってくるに違いない」と妙な好奇心が湧いてきて、なんとかメロディを捕えたい・・・夢か幻か解らないが、現実に帰ったらきっと五線譜に落としてやる・・・そんなアイデアだけが確かなものとなる。しかしはっきりと掴み取れるような旋律がなかなか見つからない。
最終的にそのビートにワウペダルをつないで、狂った如く踏みまくったような、そんなサイケデリックな曲が頭の中を駆け巡っていた。こうなるともはや快感でしかなく、完全にその調べに身を委ねていた。その作品はどう終わりを迎えたのか覚えていない。気づいたら僕は何の音楽も無い車の中、助手席に座っており、先輩は同じように滑らかに車線を変更していたのである。
P.S. 僕はもう大丈夫です。
ただ、こんな文章をシラフで書けるほどに疲れきっております。